「まだいもむしのアゲハ」を子ども万華鏡大賞としました。この作品は、アゲハチョウがいもむし(幼虫)だった時の万華鏡です。このような万華鏡をご覧になったことがおありでしょうか。多くの方が「初めて見ました!」という感想でしょう。そうなんです。この作品は、世界に1つだけの作品と強く感じさせる作品なのです。作品は、緑色のふわふわの紐を丹念に巻いて柔らかい感じが表現されています。いもむしに愛情がそそがれていて、見たときから可愛さを感じます。緑色の地色に、黒色や白色、斑点のテープを貼って工夫されています。金色のモールの角が興味を引きます。
万華鏡をのぞいてみると、自分がいもむしになったような美しいミクロ世界に出会うのです。小さな緑色のオブジェクトに、黄色や赤色や空色が不思議な形を作っていきます。見たこともない幼虫の体験する草の生活世界がそこにはあるのです。鑑賞者は、自分の体が小さくなってアゲハチョウの芋虫になったかのような気持ちになるのです。好物の葉っぱや棲んでいる家。アゲハを育てて観察した貴重な体験が作品に結実しています。類を見ない高い独創性を評価して子ども万華鏡大賞としました。