子ども万華鏡大賞

作品名:夏の思い出

【のぞく時の注意点】中の石に、金、真珠、赤、青、黄色、色んな色を入れたので、ゆっくり回しながらのぞくと、色とりどりの模様になってきれいです。

【工夫した点】私は妹といっしょにあそんだ夏休みの思い出を粘土でつくりました。上の部分が花火で、私が手にもっているのは、ピンクの綿菓子です。

【この万華鏡の楽しみ方】中の石にミッキーマウスが描いてあるものがあります。ミッキーが見えるでしょうか?

審査員講評

「夏の思い出」を子ども万華鏡大賞としました。この作品は、妹さんと遊んだ楽しかった夏の思い出が万華鏡になりました。万華鏡の中に展開される「夏の思い出」の光映像は、あるときは様々な楽しかった思い出が万華鏡の輝きになり、あるときは打ち上がった花火としても見え、しかも、実際の花火よりも美しく、ある時は繊細にあるときは大胆に、形や色を変えていきます。夏に行った沢山の楽しかった活動が万華鏡の中で、永遠に輝き続けているのかもしれません。この万華鏡の中には、多くの思いが託されてそれらを引き出す映像になっているのではないでしょうか。外観が、空色やセルリアンブルーが基調となっており、黄色のオブジェクトを入れているので、補色(反対色)の色彩効果で、覗いたとき言葉に表せないほどの驚きを感じます。

 万華鏡の外観を細かく見ていくと、鑑賞者は最初に2人の子どもに出合います。2人は、見る人みんなに元気をくれるような、はちきれんばかりの笑顔であふれています。見事な点は二人の個性が伝わってくるほどに作り分けられている点です。まず、口に注目してみましょう。口元が、鑑賞者に話しかけてくるような半円型の口の子どもと、やわらかに大きなにっこりをしている三日月型の口の子どもの笑顔に作り分けられています。着ている服も背景を薄めの空色にして、服を少し濃いめの青色にしています。作者が、ピンク色の綿菓子を持った方が私ですと教えてくれているので、半円形の口の方の子どもがご本人なのではないかと思われます。この子は、スカートでしょうか。刻みを入れているので、ひらひらと動いているように見えます。元気な行動派なのかもしれません。ゆっくりと微笑んでいるのが妹さんです。大きめで薄い空色の模様の服を着ています。万華鏡の先端部分に目を移していくと、スコープの先にオイルとカラフルなオブェクトが入った容器がつけられており、その容器の最先端に紙粘土で花火の表現がされているのです。筒はまだ明るい時の思い出、先端に行けば夜の花火の思い出ということかもしれません。この作品の万華鏡は、どんなに楽しかったか、かけがえのない心のあり方や事物の関係を豊かに語ってくれる装置なのです。

   審査員Aのショートコメント:素敵な思い出ですね!ワクワクしました!

   審査員Bのショートコメント:装飾も可愛く感じました。いろいろなパターンの見え方があります。

   審査員Cのショートコメント:粘土の装飾も含めて複雑なのにコンパクトなところが凄いです。

京都市教育長賞

作品名:大好きなとうもろこし

【のぞく時の注意点】ビーズが取れやすいので注意してください。

【工夫した点】大好きなバナナをつくっていたら、とうもろこしに見えたので、とうもろこしの葉っぱをつけました。とうもろこしも大好き!

【この万華鏡の楽しみ方】大好きな黄色をいっぱい使いました。バナナに見える?とうもろこしに見える?

審査員講評

 「大好きなとうもろこし」を京都市教育長賞をとしました。大好きなバナナを作っていたら、とうもろこしに見えたので、緑の葉っぱをつけてとうもろこしの万華鏡にしたそうです。大好きな黄色もいっぱい使ったそうです。粘土でつくったのでしょうか、ボリューム感のあるとうもろこし(もとは大好きなバナナ)となっています。とうもろこしの葉っぱをむいたときには整然と種が並んでいるのに出合うのですが、細かく見ると、とうもろこしは、1つ1つクルンクルンとした凹凸感がある個性的な存在であることに気づきます。この作品もユニークな起伏を持った作品となっていて存在感をうったえます。バナナがとうもろこしになったのも、バナナのすらりとした形をつくっている過程で存在感が増していったからかもしれません。そこには、沢山の小さなビーズが埋め込まれていて、さらに黄色い色で濃い薄いが与えられて一層強い存在感がさぐられています。万華鏡を覗いてみると、大小の黄色やオレンジ色のオブジェクトで織りなされる映像を楽しむことができます。大好きをスタートラインとして発想しながら、作り込んでいった素晴らしい作品と言えるでしょう。覗いてみると、黄色の形が様々に生じ、トータルで統一感のある大変すぐれた作品に仕上がっていると言えるでしょう。

   審査員Aのショートコメント:大好きなもので表現しきっている努力が凄いと思いました。

   審査員Bのショートコメント:美味しそうです。

   審査員Cのショートコメント:とうもろこしで統一しているのが面白いと思います。

   審査員Dのショートコメント:外側も内側もとうもろこしで美味しそうにできています。

   審査員Eのショートコメント:見ても楽しい!置いても素敵!です。

京都万華鏡
ミュージアム賞

作品名:家族で虹を見ている

【のぞく時の注意点】とくになし。

【工夫した点】家族で虹を見ているところ(万華鏡が虹みたいだと思ったから)

【この万華鏡の楽しみ方】ふったり、回したりしてみてほしい。

審査員講評

 「家族で虹を見ている」を京都万華鏡ミュージアム賞としました。万華鏡を覗いてみると虹みたいだと思ったことが発想の原点だったそうです。万華鏡の筒には、カラフルな色の上に、4人の家族の顔が一人ひとり丁寧に描かれています。 家族が揃っている時に、大きな虹が空にかかったのです。見る人も、作者の家族と一緒に同じ場所に立って、虹を見るような感じがします。中を覗くと驚きの体験ですが、キラキラとした虹の実感が迫ってくるのです。実際の虹は、帯のように感じられますが、こちらの万華鏡を覗くと、オブジェクトの粒立ちに虹色が成立していて、虹の存在感は、七色の出現だけでなく、キラキラとダイナミックに色が出現してくる様子に包まれる感動なのだと気づかせてくれます。この万華鏡は、虹体験と常につながれる奇跡の存在なのです。

   審査員Aのショートコメント:「虹みたい」という言葉で、見え方も鮮やかになります。

   審査員Bのショートコメント:家族で楽しそうな会話が聞こえてきそうです。

京都万華鏡
ミュージアム賞

作品名:うちゅうステーション!

【のぞく時の注意点】あかるいところにむけてのぞいてください。

【工夫した点】”水・金・地・火・木・土・天・海”がうかぶようにうちゅうをあらわしました。プラバンで「うちゅうじん」の絵を描き、のぞくと見えるようにしました。

【この万華鏡の楽しみ方】大好きなうちゅうりょこうに、いけますように!

審査員講評

「うちゅうステーション!」を京都万華鏡ミュージアム賞としました。

こちらの万華鏡は、宇宙を手にするような感動の万華鏡です。万華鏡の筒には、黒色を背景に個性的な金色の円の形が沢山描かれている紙を使っています。さらにその上に自分で星をちりばめました。筒からは、カラーのモールを使って、何個もの宇宙の星々が宙に浮かべられています。どうも、緑の地球もあるようです。遠くからも「何か面白そうなものがあるな」と興味のそそられる、大変注目される存在感のある万華鏡になっています。覗いてみると、空色や青色、緑色などを基調とした宇宙のダイナミックな様子が、体験できるのです。「大好きな宇宙旅行に行けますように!」との思いでつくったそうです。宇宙の中心では、このような光の形や色が生み出されているようです。巨大宇宙を手の中に受けとめる体験ができる、素晴らしい万華鏡となりました。

 審査員Aショートコメント:作品から無重力を感じます。

 審査員Bショートコメント:発想がユニークです。

 審査員Cショートコメント:楽しく感じるところと、宇宙の観察が面白いと思います。

 審査員Dショートコメント:エイリアンのオブジェクトを入れているところや周りの惑星が面白いと思います。

審査員特別賞

作品名:森のきせかえ万華鏡

【のぞく時の注意点】外側のつつだけを持つと中身が落ちてしまうことがあります。

【工夫した点】外側のつつをきせかえできるようにしたところです。自分で作れるような材料を使って作った点です。

【この万華鏡の楽しみ方】外側のつつを手前や奥にずらしてのぞくことで明るさなどが変化します。

審査員講評

「森のきせかえ万華鏡」を審査員特別賞としました。この万華鏡は、外側にもう一つ筒を重ねるようにしているので、筒の着せ替えや、筒を倍に長くして楽しむことのできる驚くべき万華鏡です。先端には、身近にある透明のプラスチックケースを利用し、その中にオブジェクトを入れてセルスコープを実現しています。透明な空色や黄色、マゼンタ色のオブジェクトを入れています。自分で見つけてきた家にある容器のようです。「これ使えるかな?」と周りの人に聞いてみたのかもしれません。筒には、木々や「楽しいよ!」と言っているようなピンク色の顔の森の住人がクレパスで丁寧に描かれています。木々の上には、3匹の動物でしょうか、並んで何かをしています。何やら面白い森の物語があるようです。また、上の筒には、長い矢印が何カ所にも描かれています。中の方の筒には、10個以上の黒いマル⚫が並んでいます。いったい、何でしょうか。秘密だらけの万華鏡に、心がそそられます。発見や発想に満ちた万華鏡、それが森のきせかえ万華鏡なのです。

   審査員Aのショートコメント:筒を倍にしたりして変えられるところに、そうか、そうなっているのかと興味を持ちました。

   審査員Bのショートコメント:矢印が描かれているところが面白いです。

審査員特別賞

作品名:万華鏡に吸い込まれちゃった!

【のぞく時の注意点】家族の顔は水性ペンなので、濡れた手で触らないよう気をつけてください。

【工夫した点】カラフルで可愛く見えるように折り紙を貼った所です。1枚ずつ1人で丁寧に貼りました。ミュージアムの入口のTVに映る万華鏡が楽しくて、また映りたいと思ったので家族の絵をかきました。

【この万華鏡の楽しみ方】「万華鏡に吸い込まれちゃった!」をテーマに、万華鏡をのぞくと見える世界を外筒に表現しました。筒をまわして外側も見てください。キラキラ可愛いです。

審査員講評

「万華鏡に吸い込まれちゃった!」を審査員特別賞としました。遠くからも注目される、彩度の高いカラフルな万華鏡は、存在感たっぷりです。筒には、小さな三角(△)矩形の(□)の色の形が、丹念に貼り込まれています。少し重ねるようにどんどん貼っていっています。一人で貼ったと教えてくれていて、思わず感心しました。色を貼り込んであるだけでなく、小さな球状のカラフルオブジェクトも貼られており、空間に向かって色が飛び出してきているように見えます。万華鏡の筒には「万華鏡に吸い込まれちゃった!」をテーマに、この万華鏡を覗くと見えるキラキラで可愛い世界を外筒に表現したそうです。覗いてみると透明感の高い小さなカラフルチップと透明感のない影のような小さなチップが織りなす大変綺麗な世界を見ることができます。小さなチップを積極的に選んでおられるので、背景の暖かみのある白色も引き立っています。これらの雰囲気を外観に表現したそうです。ミュージアム入り口のTVに映る万華鏡が楽しくて、また映りたいと思って、家族の顔も表現したそうです。色々に託された思いが、1つの万華鏡になって、生まれていきました。

  審査員Aショートコメント:私も吸い込まれました。

  審査員Bショートコメント:カラフルな回りとセロファンの鮮やかな色彩が印象的です。

佳作

作品名:うみのなか

【のぞく時の注意点】ねんどがとれやすいので、きをつけてください。

【工夫した点】たこをはるところ

【この万華鏡の楽しみ方】かいのハートのシールをたのしむ(かわいいから)

審査員講評

 「うみのなか」を佳作としました。こちらの作品は、蛸のいる海の中が体験できる万華鏡です。筒には、プラスチック製のカラフルに光る小さなハート型のオブジェクトが、一列に貼り込まれています。そして次の段には、紙粘土でお作りになったのでしょうか、薄い赤みの系統のジョンブリアン色のハートが沢山並べてあります。この2列のハートの間は、金色のテープで表現しています。金色のテープは、基本的な色彩は、黄色と黄土色なので、海の青色ととても目立つ関係なのです。「SADO island」と書かれて、島の形が見て取れるテープです。覗いてみると、赤色や黄色・黄緑色もふんだんに使い、大変楽しい鮮やかな海の中になっています。楽しさがあふれる独自な海表現だと思われます。

主催:京都万華鏡ミュージアム