子ども万華鏡大賞

作品名:恐竜時代の大噴火

【のぞく時の注意点】持つ時に、折れやすい恐竜の頭やしっぽに注意してください。火山は重いので小さなお子さんは、しっかり持ってください。

【工夫した点】マグマがグツグツとにえたっているように見せるために、中に赤いビーズと天然石を入れた点。

【この万華鏡の楽しみ方】軽くふってななめ下に向けて見るのがおすすめです。

審査員講評

「恐竜時代の大噴火」を小学生高学年部門の子ども万華鏡大賞としました。はたして、大地を揺るがす地球規模のマグマのあり方を万華鏡で表現できるでしょうか。こちらの作品はこのことにチャレンジし、火山などの地球内部の高温の揺らめきをはじめて万華鏡で表現できた作品ではないかと考えます。これまでも、このテーマで取り組んだ子ども達は多かったと思います。ところが、テーマが大きすぎて未だ達成されることは無かったし、かなり難しい課題だと考えていました。万華鏡の外観は、火山が今まさに噴火している姿となっています。どろどろと山の頂上からマグマが噴き出しています。この山の下には緑色の恐竜が配置され、恐竜時代を演出しています。万華鏡をのぞくと、ドライタイプの万華鏡にも関わらず、暗闇に赤く煮えたぎるマグマを思わす映像が生み出されているのです。赤の一部が黄色くなったり、白くなったりと、地球のエネルギーの力を目の当たりにするような驚異の姿が万華鏡内に映し出されます。作者は、「マグマがグツグツと煮えたぎっているように見せるために、中に赤いビーズと天然石を入れました。」と教えてくれています。マグマの姿を鑑賞者に体験させるこちらの万華鏡作品を傑出した万華鏡として高く評価しました。                         

  •   審査員Aショートコメント:マグマを連想する。安定した作り方をしている。
  •   審査員Bショートコメント:色彩が暗がりの中で鮮やかで、まさにマグマのよう。
  •   審査員Cショートコメント:マグマを覗いているような映像。火山が上手にできている。
  •   審査員Dショートコメント:発想が面白い。装飾とよく合っている。

京都市教育長賞

作品名:花と宝石の美術館

【のぞく時の注意点】光に当ててゆっくりと回してください。

【工夫した点】キレイな色の組み合わせになるように考えました。外観は、中のイメージと合わさるように、自分でマーブリングで紙を染めました。

【この万華鏡の楽しみ方】形や色などに注目して楽しんでください。また、光を当てたときと当ててない時の色味がちがうので、いろいろ試して楽しんでください。

審査員講評

「花と宝石の美術館」を京都市教育長賞としました。セルリアンブルー色の筒は、中のイメージと合わさるように自分で紙をマーブリングで染めたそうです。オブジェクトを入れている容器と筒をつないでいるテープは、セルリアンブルーの色調を明確に決めてきています。マーブリング部分は、このテープの色が、神秘的に溶け出しているようにさえ見えるほどです。オイルのセルタイプで、先端の透明容器に入ったオブジェクトの色が外観からも見えていて、筒が淡い寒色系なのに対して、赤色や黄色もはえて見えるおしゃれな万華鏡になっています。内部の映像は、花と宝石と言わしめるほどのマゼンタ色から翡翠のような緑色、暖かな黄色など、美しさを極めた映像となっています。統一感を究明した姿勢を高く評価しました。

  •   審査員Aショートコメント:色合いが鮮やかで見やすい
  •   審査員Bショートコメント:映像が綺麗です。
  •   審査員Cショートコメント:オフィーリアを感じました。

京都万華鏡
ミュージアム賞

作品名:一年中楽しめる付け替え万華鏡

【のぞく時の注意点】小さな飾りは、マジックテープで付けているので、やさしく箱から出して飾りの付いていない部分を持ってのぞいてください。

【工夫した点】12ヶ月分+1つの万華鏡の飾りを作りました。月ごとに、はめ替えたり、小さな飾りは、1つ1つマジックテープで付けているので、その日の気分で位置を替えて楽しむことが出来るように工夫しました。

【この万華鏡の楽しみ方】万華鏡にはめていない飾りも一緒に部屋に飾って楽しめます。12ヶ月分の飾り以外に1つは、家族の誕生日など、うれしいことや、楽しいことがある時用に作りました。万華鏡を見るのも、飾りの付け替えも楽しむことが出来ます。

審査員講評

「一年中楽しめる付け替え万華鏡」を京都万華鏡ミュージアム賞としました。こちらの万華鏡は1年間、筒のデザインをかえて楽しめるよう、カレンダーのように季節の様子などをデザインした12ヶ月分と、ご家族の誕生日など嬉しく楽しいときの分をプラスした、合計13通りに変えられる万華鏡です。例えば9月は、笑顔のお月様と月見団子のデザインが楽しめます。この場合、お月様も月見団子もマジックテープで止める形式なので、角度を変えたり何かに変更したりが可能となります。万華鏡を覗いてみると葉っぱに見えるような黄緑のオブジェクトや、赤色や黄色の細かなオブジェクトが、オイルタイプの仕組みをえて、滑らかに変わって行くのです。出番を待つように外観を変えるデザイン達が順番を待っている姿がこれほど楽しく感じられるのか。はじめて気づいたよとおっしゃる方も多いでしょう。毎月・毎日と身近に万華鏡を楽しむコンセプトは、これほど素晴らしいものであったのです。嬉しい発見をもたらす万華鏡なのです。

  •   審査員Aショートコメント:見る人を楽しませたいという様々な工夫を感じる。
  •   審査員Bショートコメント:筒を着せ替えられるところと、12ヶ月楽しめる所。
  •   審査員Cショートコメント:発想が独特。アイディアが秀逸。
  •   審査員Dショートコメント:アイディアと12ヶ月分の飾りの工夫

京都万華鏡
ミュージアム賞

作品名:球体万華鏡

【のぞく時の注意点】上の黒い部分に鏡がくっついているので、上にそっと引っぱり上げてはずします。そしてびんの方にかぶせ、中のカードを入れかえて遊びます。

【工夫した点】テーパードミラーシステムにすると映像が立体になるので、その仕組を利用しました。

【この万華鏡の楽しみ方】丸い形のカードを沢山作って、平面のものが立体に見えたり、数が増えたりするのが面白いと思います。それと鏡に映ることで、キラキラと光って見えるのが美しいと思いました。(特に地球がおすすめです!)

審査員講評

「球体万華鏡」を京都万華鏡ミュージアム賞としました。テーパードミラーシステムに取り組んだ作品です。通常は、三角柱なのですが、このシステムは三角錐に作り込みます。すると三角柱の万華鏡は「平面」になりますが、テーパードミラーの万華鏡は「球面」になるのです。作者は、様々な模様の丸いカードをいくつも準備して、その時の気持ちで鑑賞者はカードを選んで、透明の瓶の中に入れ、上からシステムを差し込むと、その万華鏡映像を見ることができるようにしました。普通の万華鏡は数が対称的に増えますが、形が変形する点を楽しめるようにしました。絞られているミラーシステムは、つくるのに難しく、さらに取り込まれる映像を換えることができるようにした工夫を高く評価しました。

  • 審査員Aショートコメント:まるで宇宙から地球を覗いているような気持ちになる。
  •  審査員Bショートコメント:立体的な表現が、独特で面白い。
  •  審査員Cショートコメント:ミラーを生かした映像の工夫

審査員特別賞

作品名:海の中

【のぞく時の注意点】

【工夫した点】保護シートを1枚つけたままにして、海の中を表現しました。

【この万華鏡の楽しみ方】うみがめと一緒に海中散歩をしてください。

審査員講評

「海の中」を審査員特別賞としました。ブルーの中に明るい通常の映像も合成された、見事な海表現の万華鏡です。驚くことに、使うまでミラーを保護するブルーのシートが貼られていますが、1枚の保護シートを外さずにこれが実現できたことです。筒の表現は、1匹のウミガメをフェルトで丹念に表現しました。ボリューム感いっぱいの作品になっています。河豚や魚やクラゲなども、写真を貼り付けて表現しているので、海を感じさせるのには十分な表現力を発揮しています。ところが、万華鏡を覗いてみると、それを何倍も超える水イメージが展開されているのです。「海亀と一緒に海中散歩をして下さい。」と作者は、誘ってくれていますが、実感いっぱいの海亀を友達にして、無限の紺碧の海へ、深く入っていける万華鏡が実現できていると高く評価しました。

  •   審査員Aショートコメント:フェルトを貼って、暖かさが感じられる。
  •   審査員Bショートコメント:万華鏡の仕組みをしっかりと理解している。
  •   審査員Cショートコメント:映像が綺麗です。
  •   審査員Dショートコメント:あえて青い保護カバーを残し、綺麗な映像にしているところが素晴らしい。
  •   審査員Eショートコメント:海に見える工夫に、やられた!と思った。

審査員特別賞

作品名:「無題」

【のぞく時の注意点】バラをつぶさないように回す。

【工夫した点】十字架をつける事。バラ。

【この万華鏡の楽しみ方】ふる

審査員講評

「無題」を審査員特別賞としました。筒の両端と、見えにくいのですが中心部分を赤いリボンで飾り、筒の地色を黒にして、その上に黒のレースのような服地でふんわりと覆っています。万華鏡の筒を人に例えるのを許してもらえるならば、レースの白いシャツを着ていてその上に黒い服をはおり、十字架を胸にしているようにも見えます。万華鏡を覗くと、宝石のカットや模様の多彩な黄色のオブジェクトと小さな黒いオブジェクトが対比的に織りなす世界が展開されるのです。淡いオレンジや、暗い感じの赤色のオブジェクトは、調整役です。このような独特の世界観を究明する姿勢を高く評価しました。つけ加えですが、「隠された万華鏡の秘密」として、この万華鏡の提示する世界を起点に、色々な物語や音楽ができるかもしれません。

  •   審査員Aショートコメント:世界観が面白いと思います。
  •   審査員Bショートコメント:色使いが独特です。
  •   審査員Cショートコメント:シックで大人っぽいです。オブジェクトの選定にも興味が湧きました。

審査員特別賞

作品名:白い風とクローバー

【のぞく時の注意点】ゆっくりまわしてください。

【工夫した点】自分で作ったオリジナルパーツを入れてみました。あずきも入れてみたりして、他にはないオリジナルのものを作りました。

【この万華鏡の楽しみ方】小さいかとりせんこうみたいなのがあったり、あずきがあったりパーツの一つ一つが面白いと思います。

審査員講評

「白い風とクローバー」を審査員特別賞としました。自分でつくったオリジナルオブジェクトを入れているそうです。小豆を入れたり、他にはないオリジナルなものをつくっています。小さな蚊取り線香のようなオブジェクトもあるそうです。緑色の線状のオブジェクトがクローバーに見えるのは私だけでしょうか。激しい万華鏡映像に対して、筒の外観は、パステル調の黄色を中心に薄い色の白のテープを巻き付けて、とてもやわらかでやさしいメージになっています。このテープのイメージが白い風で、緑の部分がクローバーなのかもしれません。

  •   審査員Aショートコメント:パーツがはじけていて、見ていて楽しい。
  •   審査員Bショートコメント:小豆がアクセントになっていて楽しい。

審査員特別賞

作品名:おめんめ

【のぞく時の注意点】「したさわったらおこる」さわるな

【工夫した点】目をつけた

【この万華鏡の楽しみ方】おそく見る まわりを見る

審査員講評

「おめんめ」を審査員特別賞としました。自分の力で筒に絵をしっかり描いていっておられます。万華鏡の中は、スコープの先端に紙粘土を貼ることで、白さが映像に映し出されます。また、クリップの青色や、透明感のある黄色も美しく、効果を上げるために立体的なオブジェクトだけでなく小さな反射シートも入れておられます。オブジェクトに多彩な形態を盛り込むなど、興味をそそる光表現は、無限に続いていくようです。独自の創作性が作品に結実し効果を上げています。

  • 審査員Aショートコメント:独特の世界を表現

佳作

作品名:昼と夜

【のぞく時の注意点】

【工夫した点】LEDを使って明るくしました。

【この万華鏡の楽しみ方】見る角度をかえて見てください。

審査員講評

「昼と夜」を佳作としました。こちらの万華鏡は、オイルタイプの万華鏡です。様々なオブジェクトを十分入れて、濃密な映像づくりに成功しています。赤色からセルリアンブルー色、ピンク色、白色など全ての色味と、捉えられないほどの濃密な形が展開されています。LEDのライトも用意していただきました。昼と夜を通して楽しめる万華鏡となりました。

  •   審査員Aショートコメント:映像が豪華、重厚です。
  •   審査員Bショートコメント:キラキラした映像が印象深いです。LEDの工夫をしています。

佳作

作品名:POWER!太陽の塔

【のぞく時の注意点】太陽の塔の手をやさしくさわってください。上の顔が取れないように注意してください。

【工夫した点】ミラーを乗せて合わせるところでしっかりとミラーの上に乗るようにし、もようがきれいに見えるようにした。

【この万華鏡の楽しみ方】フルーツのがらや黄色などの元気な色を使い、見た人がパワーをもらえるところです。

審査員講評

「POWER!太陽の塔」を佳作としました。こちらの万華鏡は、岡本太郎の太陽の塔をモチーフにした万華鏡です。小さな万華鏡に岡本太郎の太陽の塔に負けない造形がされています。顔の黄色に対して、胸の青のマスクの対比が迫力満点です。赤色の腕や、ボディの緑色、顔の中心を流れる黒色の鼻から空に突き抜けていく直線。それら全てが伸びやかに構成されています。後ろ姿に配置されている茶色の顔からは、ここでも赤色の一層伸びやかな線が広がっていきます。この万華鏡は、セルタイプの万華鏡にオイルを入れて、その中に選んだオブジェクトが入っています。黄色を主調色にして広がっていく映像を見せてくれます。楽しみ方で、「フルーツの柄や黄色などの元気な色を使い、見た人がパワーをもらえるようにしたところ」とこたえてくれていますが、本当に、元気のもらえる大変すぐれた作品となりました。

  •   審査員Aショートコメント:オー!芸術爆発だと!と叫びたくなります。
  •   審査員Bショートコメント:POWERがもらえた。

佳作

作品名:エリーゼのために

【のぞく時の注意点】

【工夫した点】かがみの1まいにピアノのけんばんを書きました。

【この万華鏡の楽しみ方】「エリーゼのために」を思いうかべながら見てください

審査員講評

「エリーゼのために」を佳作としました。楽譜が筒に貼られ白色の花の模様のレースが添えられている万華鏡です。覗いてみると大変美しい赤色とピンク色を基調にした色彩世界が展開されます。強弱の繰り返しが起こるとリズムが生じますが、それも音楽を感じさせる要素ではないかと考えられます。「鏡の1枚に、ピアノの鍵盤を書きました。」と作者はおしゃっていますが、面白い試みですね。また、「エリーゼのためにを思い浮かべながら見て下さい。」ともおっしゃっていますが、短調の曲と赤色の関係をさぐることは、興味の沸くことだと考えます。

  •   審査員Aショートコメント:なんだかメロディーが聞こえてきそうな気がします。
  •   審査員Bショートコメント:白と銀をベースにバランスの良いオブジェクトの工夫をしています。

佳作

作品名:フリル

【のぞく時の注意点】リボンのところを強くもつと、はがれてしまうので気をつけてください。

【工夫した点】フリルを二重にしたところと、リボンをクロスさせてまいたところ。

【この万華鏡の楽しみ方】外のみためも中のみためも楽しんでください。

審査員講評

「フリル」を佳作としました。作者は、筒の表現として金色の細い線の入った白色のリボンを筒に斜めにまいて万華鏡を表現しました。その上に蝶と星がいます。そして両端にフリルを配置しました。覗いてみると黄色もしくは金色のクリップが効果を上げ、深い色の緑と透明な空色、小さな黄色などとで多様な形をつくっていきます。真面目な思いでおしゃれ(正装)をしているような姿を連想してしまうことがある万華鏡かもしれません。

佳作

作品名:月を見ているくま

【のぞく時の注意点】ぜんたいてきにとれやすいので注意してください。

【工夫した点】青系統でつくりました。

【この万華鏡の楽しみ方】あかるい所で見てください。

審査員講評

「月を見ているくま」を佳作としました。筒には、可愛い紺色のリボンが印象深い万華鏡です。大きな金色の月に2匹のうさぎがいます。月明かりが強いので、夜の闇が負けて、周辺が青くなっている夜なのかもしれません。紺色のリボンの所にお人形の熊がいるのです。このお人形の熊が月を見ている設定です。作者がお気に入りのもの達ばかりを登場させた万華鏡かもしれませんが、「月明かりの夜に、子どもに大切にされたお人形が月を見ながら○○」と○○のところに何かを想像して入れてみると作者の万華鏡世界の大切さに気づけるような気がします。演劇や音楽や詩や映画の世界などで取り上げていただくと、その意義は深まることでしょう。万華鏡の内部の映像をみると、透明感のある空色と、深めの紺色などで様々な形を作っていきます。作者は、「青系統でつくりました」と教えてくれていますが、まさしく神秘的な青の世界を体験する万華鏡と言えるでしょう。

佳作

作品名:カラフル

【のぞく時の注意点】デコレーションボールをさわらないように、そっともってください。

【工夫した点】色んな色のわしをかさねて、カラフルにしました。

【この万華鏡の楽しみ方】カラフルのつつを楽しんで見てみてください。

審査員講評

「カラフル」を佳作としました。作者は、色々な色の和紙を重ねて万華鏡をお作りになりました。大きく幅をとったところに色や質感を盛り込んでいく面白さで、楽しく創作活動をすすめていかれたのかもしれません。中を覗くとクリップか針金のような線の材料が使われており、ここでもシンプルな形に、輝く映像が埋め込まれるチャンスがあり、内外共に実は、かなり高度な試みに成功している万華鏡と言えるでしょう。

こちらの作品を見るまで、我々は万華鏡で始まり万華鏡で終わる世界の中にいました。そしてそれはしかたのないことですが、三角形や矩形など、ある単純な形に戻していくと、万華鏡の内部に生じる世界と外部の素材世界は共鳴しうることが示されています。質感の違いを生かした万華鏡の模様の服地を着て歩きたくなります。

  •   審査員Aショートコメント:装飾の可愛らしさに努力の跡が見えます。
  •   審査員Bショートコメント:とても綺麗な万華鏡です。

佳作

作品名:青と白etc・・・

【のぞく時の注意点】りぼんがはずれないように見てね。

【工夫した点】青と白でとういつかんをだした。

【この万華鏡の楽しみ方】青と白を楽しんで!ピンクや赤も出てくるからそれも楽しんでね!

審査員講評

「青と白etc・・・」を佳作としました。作者は筒に藍染めの青のような色で表現された花や草木がモチーフの紙を選びました。これに同系色のリボンをあしらいました。イギリスの化学者アトキンソンが驚いた美しいジャパンブルーの世界なのです。しかし、この万華鏡の素晴らしいところは、それだけではありません。万華鏡の中を見ると作者も「青と白で統一感を出した」と教えてくれているのですが、オブジェクトを外観と揃えることにより、和の美のポリシーはそのままに誰も見たことのない形に、ジャパンブルーの世界がメタモルフォーゼ(変形、変身)していくのです。オブジェクトを絞り込むことで、和の美の世界の進展を予感させる万華鏡となっていると言えるでしょう。こういう場合がある、こういう場合もあるとめくるめく提示される作品になっているのです。

  • 審査員Aショートコメント:エントリーシートで紹介されているとおり、配色の統一感があり、強いまとまりを感じます。

主催:京都万華鏡ミュージアム