京都市教育長賞
作品名:スペース万華鏡
【工夫した点】材料のビー玉が惑星の感じがしたので、宇宙をイメージしました。付ける時丸いので苦労しました。
審査員講評
作品「スペース万華鏡」は、宇宙をイメージした万華鏡です。美しいビー玉(色のついた透明の球体)と、ミラーシステム筐体(黒い円柱)とが、見事に関係づけられている作品です。「材料のビー玉が惑星の感じがしたので、宇宙をイメージしました。付けるとき丸いので苦労しました」と工夫した点を教えていただいていますが、球と円柱とは、点でしか接着できないので、見ることの少ない、類い希な関係の形と言えましょう。美しい形が、バランスを配慮されてひとつになっているのです。その存在感は圧倒的と言えます。さらに、ビー玉のような硬質感の形と、同じ形で白いふわふわの球が配置されています。「意外な組み合わせ」や「異なるもの・異なる質感の同時併存」を美術ではデペイズマン (Dépaysement) とよんでいます。シュールレアリスム(超現実主義)が行いました。この作品との出会いは、綺麗なものが突き出ているなと思って近づくと、不思議な関係を鑑賞することになります。
覗いてみると、彩度の高い突き抜けるような光映像が展開されています。輝くばかりの紺色、空色、赤色、オレンジ色、ピンク色、マゼンタ色などで構成されています。暗い色で塗られた小さめのクリップが、静かに形の変化を与えています。「ビー玉が惑星の感じがしたので、宇宙をイメージしました。・・」と教えてくれていますが、万華鏡の作り出す内部のイメージは、宇宙の誕生も思わせる、大変エネルギッシュなイメージを生み出しています。