子ども万華鏡大賞

作品名:お友だちにキラキラした海の世界をプレゼント

審査員講評

 小学生低学年部門の子ども万華鏡大賞は、作品名「お友だちにキラキラした海の世界をプレゼント」としました。沢山のお友だちに見てもらえるように覗けるところを3つつくったそうです。3方向から同時に覗ける万華鏡です。万華鏡は、密かに一人で楽しむと思われていましたが、3人が同時に見たらどうだろうという画期的な提案をしていただきました。筒を金色にして、望遠鏡のように伸びる機構ともしています。3人が、つながる楽しさを引き出す画期的な万華鏡と言えるでしょう。

 3本の筒の中心部分には、円柱の瓶が位置づけられています。この瓶の中には、数々のオブジェクトが入っているのですが面白いことにその中にペンギンが入っており銀色の蓋で絞められています。見る前にしっかり振るとオブジェクトがふわふわと舞います。そして、3人で万華鏡の光映像を楽しむのです。ペンギンがいる海の世界が3人にプレゼントされるのです。ガラス瓶に実際の泡も入っているので臨場感いっぱいです。

 3人つまり複数の鑑賞者に同じ時の海の世界が展開される画期的な万華鏡です。深海の潜水艦に乗っているかのような思いで見る人もいることでしょう。卓越した発想力と着眼力。そして3つの筒をガラス瓶につけるという高度な表現技能が駆使されている点を高く評価して子ども万華鏡大賞としました。

京都市教育長賞

作品名:アクセサリー

審査員講評

 小学生低学年部門の京都市教育長賞を作品名「アクセサリー」としました。お母さんにプレゼントしたいとされ、装身具(イヤリング・ネックレス・ティアラ)から連想されるかたちで万華鏡がつくられています。青い筒をベースに、数々の花形のオブジェクトがらせん状に貼られています。ピアスがイメージされているそうです。また、大きくてカラフルなビーズは、真珠がネックレスに使われている様子が表現されているそうです。さらに、オブジェクトケースの先端は、4色のセロファンで交換できるようになっており、セロファンのティアラ(王冠)だそうです。

 中を覗くと、オイルタイプの万華鏡で、細かなオブジェクトが入っており、鮮明な細部がどんどん変わっていく光映像となっています。淡い色だけではなく、しっかりした印象の赤色も入っており、装飾をつけた時の雰囲気が醸されています。

 ティアラの色を変えると万華鏡の光世界も変えることができ、イメージチェンジは楽しいよと言ってくれているかのようです。

 アクセサリーで変身していくような画期的な万華鏡となっており、独自な発想を高く評価して京都市教育長賞としました。お母さんにプレゼントしたいそうです。

京都万華鏡
ミュージアム賞

作品名:おもい出のまんげきょう

審査員講評

 小学生低学年部門の京都万華鏡ミュージアム賞を作品名「おもい出のまんげきょう」としました。大きくは円錐型をした万華鏡です。筒を紺色にして四角い記念写真は黄土色のラメのフレームとなっています。円形の形にニコニコの顔が描かれています。カラフルなラメやリボンで飾られ、思い出の様子が演出されています。レースのフレームには、思い出の葉っぱやポンポンが配置されています。どんな思い出だったのでしょうか。また、小さな球体を繋げたひも状のものが筒に繋がっていて、万華鏡を動かすたびにぶらぶらと動き刺激的です。

 中を見ると沢山のオブジェクトが入っているにもかかわらず、底の広い部分がオブジェクトケースなっており、積極的に動かすと明快な形が、大きく変化する万華鏡となっています。お母さんにあげたいそうですが、貴重な思い出にあふれている万華鏡です。大胆な形の構成が卓越しており、その点を高く評価して京都万華鏡ミュージアム賞としました。

審査員特別賞

作品名:うみばたけ

審査員講評

 小学生低学年部門の審査員特別賞を作品名「うみばたけ」としました。貝殻や可愛い小物をつけて、海の中に畑があるイメージが表現されている万華鏡です。尖った感じの巻貝やUFO型の巻貝。2枚貝の貝殻。紙粘土で作ったピンク色や薄紫色のオブジェクト。青色の毛糸や薄紫色の網目を感じさせる布。筒の外壁はオブジェクトでいっぱいです。

 特に取り上げたいのは、絵具で塗られているオブジェクトがあることです。立体作品ですが絵画のような印象を受け、とても、興味深いところです。独自な思いが感じられます。深い海の中にこんな畑があるのでしょうか。見た人にこんな海の畑にいってみたいと思って欲しいそうです。

 覗いてみると細かなオブジェクトが沢山入っており、豊かなうみばたけの秘密の世界を覗き見るようです。おばあちゃんや家族のみんなにプレゼントしたいそうです。

 海の要素が詰まったとても楽しい作品となっており、その点を高く評価して審査員特別賞としました。

佳作

作品名:フラワー

審査員講評

 作品名「フラワー」を小学生低学年部門の佳作としました。万華鏡が置かれている箱を主材料としたイメージづくりに特徴があります。この箱の左右や裏面には、紙でできた花たちがぎっしりです。左側にはふわふわな紙を使った薄い空色の大きな花が咲いています。右側には、同じ形状のレモンイエロー色の花が咲いています。箱の裏面には、4色の花がぎっしりと咲いています。ふわふわなフラワーの世界なのです。

 この箱の上面には、ふわふわの紙の服を着ている2人の人が立っています。左側の人は、手を下ろしスカートをはき、おさげ髪をして笑顔いっぱいです。ふわふわの服は、シャツでしょうか。淡い黄色の紙で作っています。スカートは空色です。右側の子どもは、両手を横に挙げ、空色の服を上半身に着て、黄色の服(パンツか短いスカート)をはいています。頭はショートヘアーで、つぶらなかわいい目をしており、小さく微笑んでいます。女の子や男の子の洋服も両サイドのお花と同様のお花畑にしたかったそうです。箱の上面は青く塗られ、両わきは白い綿でふわふわな様子が表現されています。空の連想でしょうか。海の連想でしょうか。ふわふわしたイメージが広がる世界となっています。

 箱の正面には、右側に緑の葉の大木が表現されており、マゼンタ色の花が咲いているようです。木の枝を使ってブランコでしょうか。遊びの雰囲気が感じられます。真ん中には、金色のラメを使った笑顔の蝶々が飛んでいます。左側には、開くことのできる黄土色の扉があり、屋根が茶色で家の色が黄色、窓が青色の家があります。本作品の造形は、とてもユニークで、このようにつくってみようという独自な発想と意欲に溢れています。

 万華鏡の筒は、ふわふわの紐が全体に巻かれており、黄色系統のリボンが2箇所、空色系統のリボンが1箇所表現されています。

 オブジェクトケースには、輝く星のオブジェクトやクリップ等沢山のオブジェクトが入っています。突き出た部分のある多角形のオブジェクトがお花をイメージさせます。緑の小型のチューブは、どこか草木の茎を連想させます。

 本作品は、こうしてみよう、ああしてみようという独自な発想と意欲に満ちており、創作の独自な世界を評価して佳作としました。

佳作

作品名:宇宙からの贈り物

審査員講評

  作品名「宇宙からの贈り物」を小学生低学年部門の佳作としました。

 太陽を中心に色々な惑星や銀河が粘土でつくっています。地球も見ることができます。キラキラと光沢がありニスが丁寧に塗られているようです。色が目に飛び込んでくるピカピカした宇宙万華鏡になっています。

 オブジェクトケースのまだ先にもチャーミングな形がつくりこまれています。ベースに茶色の部分があり、3本の白い線が入っています。その先にミント色の台形型の矩形の造形が配置されており、中心部分が白色の粘土で花形がつくられています。一層先には、白色の粘土で横一線が表現されています。油性のオブジェクトケースにカラフルなオブジェクトが入っていて、このミント色と白色の造形が相まって、美しい世界が提案されてます。

 その下部には、オリジナルキャラクターのミントちゃんがつくられています。宇宙からのプレゼントを探している様子が表現されているそうです。ミントちゃんの左側にはレモンイエロー色の上にピンクの箱に入ったプレゼントがあります。白いリボンで結んであります。

 覗いてみると、オイルタイプの万華鏡なので、暗い宇宙に鮮やかな赤色や緑色、黄色やピンク色、青色や黄色の綺麗な光の世界が展開されます。お母さんへのプレゼントとしたいと希望されていますが、貴重なかけがえのないプレゼントになると思われます。自分の考えや思い、感じ方を作品全面に浸透させる。この創造的な姿勢を高く評価して佳作としました。

主催:京都万華鏡ミュージアム