作品名「フラワー」を小学生低学年部門の佳作としました。万華鏡が置かれている箱を主材料としたイメージづくりに特徴があります。この箱の左右や裏面には、紙でできた花たちがぎっしりです。左側にはふわふわな紙を使った薄い空色の大きな花が咲いています。右側には、同じ形状のレモンイエロー色の花が咲いています。箱の裏面には、4色の花がぎっしりと咲いています。ふわふわなフラワーの世界なのです。
この箱の上面には、ふわふわの紙の服を着ている2人の人が立っています。左側の人は、手を下ろしスカートをはき、おさげ髪をして笑顔いっぱいです。ふわふわの服は、シャツでしょうか。淡い黄色の紙で作っています。スカートは空色です。右側の子どもは、両手を横に挙げ、空色の服を上半身に着て、黄色の服(パンツか短いスカート)をはいています。頭はショートヘアーで、つぶらなかわいい目をしており、小さく微笑んでいます。女の子や男の子の洋服も両サイドのお花と同様のお花畑にしたかったそうです。箱の上面は青く塗られ、両わきは白い綿でふわふわな様子が表現されています。空の連想でしょうか。海の連想でしょうか。ふわふわしたイメージが広がる世界となっています。
箱の正面には、右側に緑の葉の大木が表現されており、マゼンタ色の花が咲いているようです。木の枝を使ってブランコでしょうか。遊びの雰囲気が感じられます。真ん中には、金色のラメを使った笑顔の蝶々が飛んでいます。左側には、開くことのできる黄土色の扉があり、屋根が茶色で家の色が黄色、窓が青色の家があります。本作品の造形は、とてもユニークで、このようにつくってみようという独自な発想と意欲に溢れています。
万華鏡の筒は、ふわふわの紐が全体に巻かれており、黄色系統のリボンが2箇所、空色系統のリボンが1箇所表現されています。
オブジェクトケースには、輝く星のオブジェクトやクリップ等沢山のオブジェクトが入っています。突き出た部分のある多角形のオブジェクトがお花をイメージさせます。緑の小型のチューブは、どこか草木の茎を連想させます。
本作品は、こうしてみよう、ああしてみようという独自な発想と意欲に満ちており、創作の独自な世界を評価して佳作としました。