作品「昼と夜のジャングルをのぞこう!」を子ども万華鏡大賞としました。どこにもない双眼鏡とジャングルが一体となった、冒険をテーマとした万華鏡です。
この作品は、画期的な点が3点あります。1点めは、ジャングルの冒険をテーマに万華鏡ができるのではないかと考えた点です。作品(成果)としての特徴だけでなく、エントリーシート内の<工夫した点>としても、「探検をしている気分になるように、双眼鏡の形にした」と明確に述べておられます。2点目は、ドライとオイルを合体させてみてはどうか。光映像はどう見えるのだろうと考えた点です。大変、興味のそそられるところです。3点めは、立体作品をキャンバスにして、作品全面にドローする喜びという、絵画行為が作品に溢れていることです。これは、作者が意図したか、無意図であったかは不明ですが、立体性を超えて、根源的な絵画行為が作品に施されているのです。
双眼鏡型の筒は、プラスチック製の木や葉っぱで飾られています。黄色い羽根なども加えられジャングルに棲むオウムなどのような極彩色の鳥が生活する場所を感じさせます。一方、双眼鏡型万華鏡を下から支えるケースが、単なる付属品ではなく、万華鏡を置いた全体の姿が、ひとつの作品(=絵や彫刻)になるように絵が描き加えられています。この点は、画期的と言えるでしょう。
万華鏡の内部を見ると、2つの筒の先には、縦に重なるようにドライ型とオイル型のチェンバーがつながっています。光の映像が重なって見えるのです。面白い仕組みだと考えられます。
意欲的で工夫を重ねた取り組みと成果を高く評価して子ども万華鏡大賞としました。