幼児部門子ども万華鏡大賞は、作品名「わたしの「かわいい」はね、」としました。プレゼントというテーマに対して、この作品は、「私の可愛いを君にあげるよ」という思いで作られました。筒はラッピングする発想でつくり、ラッピングをあける気持ちで筒をのぞくと、プレゼントを開けるときのわくわく感が楽しめ、オイルタイプの万華鏡なので、ビーズやスパンコールがゆっくりと、そしてキラキラと美しく展開していきます。わくわくするプレゼント体験の万華鏡なのです。
そのねらい通り、万華鏡の筒は、よく目立つ赤色(赤紫色に近い)の作品です。
筒には、宝石型の輝くオブジェクトが規則正しく配置されています。これで終わらず、自作の紙粘土造形が加えられます。ハート形(ピンク色、グレー色)を粘土でつくり、その上に輝くオブジェクトが埋め込まれています。さらに、黒いペンでドローイングされる造形もあります。注目したいのはこれらの中に、グレー色と白色の粘土でユニークな可愛いモチーフが作りこまれています。この造形の近く(筒のオブジェクトケース側)には、カラフルで薄い色のリボンとシルクチュールのような透けた感じの布が巻きつけられています。エレガントな印象がアピールされているのです。
覗いてみると透明なピンク色や緑色や金色に輝くオブジェクト等が、オイルタイプの万華鏡なので、ゆったりと変化していく光映像をつくりだします。つまり、筒の求心力に導かれて覗いてみると、そこにはわたしの「かわいい」が、見事にひとつにつながっているのです。この作品の統一感の素晴らしさや個性的な表現を高く評価して子ども万華鏡大賞としました。ママにプレゼントしたいそうです。一生の宝物のようなプレゼントとなりました。